アフタートーク#01
つくばみらいに住む人の
暮らしを変える大規模工事、
地元企業として絶対に関わりたかった。
2023年7月、学園都市と守谷・取手エリアをつなぐ
主要地方道取手つくば線が開通しました。
長年迂回するしかなかった場所に全長1.5kmの道路を通す大規模なプロジェクト。
成島建設土木部のメンバー5人が完成までの道のりを振り返りました。
After talk #01
話し手
土木部 | 部長
本多 則夫
1987年入社
つくばみらい市出身
土木部 | 部長代理
中山 慎吾
1999年入社
つくば市出身
土木部 | 主任
川村 幸広
2015年入社
土浦市出身
土木部 | 係長
矢作 知儀
2006年入社
取手市出身
土木部
関根 望
2020年入社
取手市出身
主要地方道取手つくば線
つくばと取手・守谷エリアをつなぐ主要地方道。令和元年から改良工事に着手し、成島建設のスタッフが各区間ごとに工事を担当し、約5年の期間を経て全線開通しました。幅員が広くなり歩道も整備されました。この道路の完成により、交通が集中する朝夕の渋滞の緩和も期待されています。
Chapter 01
どんなときでも暮らしは続くから、
周囲の人のことを一番に。
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本多 :
いよいよあと少しで開通だね。当時のことをみんなで思い出してみようということなんですが。
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矢作 :
この工事に一番長く関わったのは中山さんかな。どんなことを思い出します?
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中山 :
円滑に工事を進めるために、発注者の方との関係を大事にしていたことですかね。こちらから施工提案をするとか、信頼していただけるように気をつけながら。
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関根 :
水田に囲まれてるから、地権者さんとの調整も大事でしたよね。
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中山 :
耕したり、稲刈りしたりね。年間通じて色々作業があるから、その時期は通れるようにしてね。農作業の妨げにならないようにね。
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川村 :
工事中の道路、普通横切れないよね。工事中の現場は危険もあるし。
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中山 :
その調整には気を使いました。安全に行き来できるようにタイミングをあわせて。
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本多 :
あらゆる調整をまかされてたけど、全部円滑に、最終的には事故もなく終わらせたっていうのは非常に優秀だと思うよ。中山はほんとに泣きごと言わないんだよな。だから役所の方の信頼も厚い。…もうちょっとアピールしてもいいんじゃない?
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中山 :
ははは。そうですか?私というより、農家さんのご協力のおかげだと思います。通れるようになっていたとはいえ、実際は大変だったと思いますから。
川村さんの工区も細かい調整が必要だったんじゃないですか。 -
川村 :
そうね。自分のとこは民家が近かったからね。工事中だから大きな音が出るでしょ。でも理解を示して我慢してくださることがほとんどでした。近所の方とはたくさんお話したなあ。庭の植木の話とか、飼ってる犬の話とかしているといつの間にかみなさん仲良くしてくれて、ありがたかったね。
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本多 :
このキャラクターだもの。
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川村 :
工事中は「うるさくてしょうがない」って直接言われることもありますよ。でもね、たとえば家に体調を崩している人がいたり、受験生がいたり、人ぞれぞれ色んな事情があったりするから。それは受け止めないと、と思う。
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本多 :
少しでも住民の方に寄り添うようにつとめているよね。それが「公共」工事なんだからねって。
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川村 :
工事が止まっちゃったら、最終的に地域に暮らす方に迷惑をかけてしまうからね。中山さんが「円滑」って言ったけど、ほんと。止まらないようにすることはいつも考えているよね。
Chapter 02
一緒に働く人のことにも、
気を配る。
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本多 :
では、矢作の思い出をお願いします。
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矢作 :
はい。この道路は大きな車が通っても大丈夫なように、締固めをしっかりと作るという計画だったので、舗装は3層構造になっているんですよね。自分はそのうちの1層を担当しました。
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中山 :
工区が出入り口付近だったんだよね。矢作くんの現場をほかの作業車両が通れるようにしないと、後ろの工区は工事ができなかった。
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川村 :
全長で約1.5kmもあるからね。
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矢作 :
そうそう。通行止めにして一度に全部掘って、砕石入れて、舗装かけるほうが断然効率はいいけど、ほかの工事が進まなかったら開通に間に合わない。だから道路を片側ずつ、半分ずつ作るという工程にしました。他の業者さんから「ありがとう」って、感謝されながらやりましたね。役所の方も評価してくださったみたいで。それがすっごい印象に残ってます。
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本多 :
その時一緒に仕事した人、この前の違う現場でも隣工区だったんだけど、重機般入のために、自分の工区を貸してくれたよ。
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中山 :
そういうの嬉しいですよね。
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矢作 :
あそこまで感謝されるとは…。ほんと最高でしたね。
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関根 :
矢作さんを見て、自分の担当以外の工区にも目を配るんだなって思いました。
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矢作 :
関根は入社してすぐ、中山さんと俺の助手で入ったんだよな。この現場を一番見てきてるのは関根かも。
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関根 :
そうですね。最初はずっとひたすら杭を打ってました。土地の高さを出すのに、木の杭を打つ「丁張り」という作業を20メートルごとに300m、毎日やってました。
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川村 :
杭打つのだって難しいよね。専門学校出たからってできるわけじゃないよ。
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本多 :
うまく教えられるかは先輩のテクニックですから。矢作が最初に3本ぐらいやってやり方を教えたんだよな。で「あとはやっておいて」って。ははは。
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矢作 :
おつかれさまでした~って上がろうとしたら、あれ?関根まだ杭打ってるわって。
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関根 :
いつまでやればいいんだ! って(笑)でもイヤにはならなかったです。
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矢作 :
俺の指導のおかげだね(笑)
Chapter 03
大自然のなかに道を作ることは、
暮らす人の生活を変えること。
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本多 :
私からは少し成島の工事技術についても話しておきたいですね。
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矢作 :
「だめだっぺよー」とか言って、現場で指示出してた人いましたもんね。
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本多 :
俺じゃんそれ(笑)我々は自然を相手にして仕事しているから、設計図通りにはいかないというのがほとんど。
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中山 :
水路から向こうの水田のところは軟弱地盤部で、その対策をどうするかを考えるところからのスタートでしたよね。
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矢作 :
豆腐みたいに柔らかい土地だから、その上にすぐに道路は作れなかったんですよね。盛り土して、土地が沈みきるのを待つという…。
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川村 :
中山さんは半年ぐらいずっと沈下の具合を測ってたんだよね。で、沈下が止まった時点で今度は盛り土を全部撤去して。道路を作り始める前の地盤改良だけで2~3年だもんね。
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関根 :
時間をかけて十分に沈下させきらなければ、あとで必ずゆがみが出ちゃう。
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中山 :
見通しをたてつつも、待たないといけない。かつ工期は変えられないから、さてどうするか?という。
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本多 :
そうそう。本当に我々の仕事はそういうことの連続だよね。絶対なにか起こるから。この現場も、区切られた工区がそれぞれ同時進行で、最後に1本の道にするわけですよ。そのときにゆがみなくぴったりくるかどうかね。「図面通りに作る」というだけでは、このきれいなカーブや、平らで走りやすい道にはならないっていうのは言いたい!
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矢作 :
関根が最後、ライン引いてな。
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関根 :
舗装に関しては、経験があって自分で段取りを決められたところと、初めてのことで分からなかったことがありました。そこは先輩が手伝いに来てくれて、うまく段取りが組めて。上司が土台を作ってくれたっていう感じです。
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矢作 :
やっぱり俺のおかげだな(笑)
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川村 :
ははは。関根くんは、今はもう一人で現場持ってるもんね。
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本多 :
我々の仕事はほんとに何もないところからのスタートだからね。「この大自然にどうやって道路を作るのよ?」っていう感じだよね。ゼロのところからずーっと見てたから、関根もイメージができるようになったんだろうね。
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関根 :
杭を打つところから始まって、最後の舗装ラインの仕上げまで、この現場で一連の流れを経験できました。
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本多 :
この道路をすべて開通させるということは、周囲に住む人の生活環境を変える、改善すること。だからやっぱり地元企業としては協力したいということだね。無事にできあがって嬉しいね。
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矢作 :
本当に。協力会社さんにもお世話になったし、発注いただいた茨城県にも感謝だね。そういう仕事に携われて嬉しい。この道路の完成には多くの人の協力で出来上がった道路だよね。
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川村 :
今までずっと狭い道を迂回してたから、これからはかなり短縮されて便利になるね。地域の皆さんは、心待ちにしていたんじゃないですかね。
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中山 :
開通するっていうのが一番嬉しい。やっぱりこの開通に向けてがんばってきたっていう感じですね。